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腰痛症

どんな種類があるのか

腰痛の85%は、はっきりとした原因が不明な腰痛(非特異的腰痛)です。
腰痛の原因が、骨折、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎腫瘍、脊椎炎、尿管結石、大動脈瘤などは、治療方法が単なる腰痛症と全く違うので、その診断が必要となります。
変形性腰痛症、骨粗鬆症、ぎっくり腰等の病名が一応ついても、100%それが原因かわからないものは、すべて、非特異的腰痛です。これには特殊な治療法はありません
非特異性腰痛は次の3つに分けて考え、治療法を選びます。
急性期(発症4週未満)、 亜急性期(発症3か月未満)、 慢性期(発症3ヶ月以上)

どんな治療をするのか

日本ではほとんどの施設で薬物療法を第一選択にしています。アメリカでは医療制度の問題などから、非薬理学的治療法を第一選択にしています。
日本の慢性腰痛症では、薬物療法が始まると半永久的に継続することが多く、他の病気の薬も服用すると、たくさんの薬を飲むことになってしまいます。本当に薬を継続しなければならないのか、医師に相談する必要があります。医師から「調子が良いのだから続けましょう」などと言われて続けている患者さんもいるのではないでしょうか?薬を減量したり中止をすることが非常に少ないと思われます。
薬の減量や中止で、離脱症状(不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症などの症状)が出る薬を処方されている方も多いので注意が必要です。(特にリリカ®やトラムセット®など)。良く主治医と相談されてください。

どんな薬を使うのか

    NSAIDs(エヌセイズ、非ステロイド性消炎鎮痛薬)、アセトアミノフェン

    急性期から慢性期までのすべてに第一選択の薬です。抗炎症作用・免疫抑制作用を有するものが多いです。抗炎症すなわち炎症を抑えてしまうことにより、炎症や治癒過程が遅くなり、痛みが慢性化することがあり、傷の治りを遅くするかも知れません。
    副作用として、消化管障害が良く認められます。
    変形性関節症を悪化させるという報告もあります。
    脳血管の血栓症や心臓発作などの病気が増加するという報告もあります。
    これら薬物は腰痛に有用ですが、ずっと継続して飲んでいて良いか主治医の先生と相談されてください。


    神経障害性疼痛治療薬(リリカ®、ノイロトロピン®、サインバルタ®など)

    神経障害性疼痛は主に慢性期にみられることがあり、単なる腰痛に対してではなく、神経が障害されて出る痛みです。たとえば、腰椎椎間板ヘルニアの腰痛では、炎症で起きる痛みだけでなく、神経障害による痛みが起きることがあります。炎症で起きる痛みに、①を使用して、神経障害で起きる痛みに②を使用することがあります。
    副作用は、眠気やめまい、ふらつき、意識障害などがあります。
    また、いきなり中止することによって、不眠、悪心、頭痛、下痢、不安及び多汗症などの離脱症状が出ることがあるので注意が必要です。
    その他の副作用として、体重が増えたり、弱視、視覚障害、霧視、複視などの眼障害が生じたりすることもあります。また、リリカ®では、約99%が腎臓からそのまま排出されるので腎機能のチェックが必要です。


    オピオイド(トラムセット®など)

    慢性腰痛に対する第二選択薬です。依存性があることがあります。この薬も投薬の中止で離脱症状が出現することがあります。その他の副作用として、眠気や便秘、嘔気などが見られます。長期間の服用には厳重な注意が必要です。

    鎮痛補助剤

    鎮痛薬の他に 抗うつ剤、筋緊張弛緩薬、抗てんかん薬、血管拡張薬、抗不整脈などの薬が使用されることもあります。


非薬理学的治療法

急性期・亜急性期

ストレッチング、マッサージ、整体、温熱療法(マイクロ波なども)、ハリ治療など。
よほどの痛みでなければ、じっと安静にするのではなく、痛くても普通に動いていた方が早く治ります。整体やマッサージで強くもまれたりすると、その時は気持ちよくても、その部分が障害され、翌日にまた痛みが同じになることがあるので強くもまれるのは良くありません。

慢性期

運動、ストレッチング、体操、めい想、太極拳、ヨガ、ハリ治療など。
最近では、認知行動療法が注目されています。痛みに対する間違った考え方や受け取り方を直していろいろな行動をするものです。痛いから安静にしなければいけないなどと間違った認識をしたり、不安になってしまっている人に、痛くても動くことが良いと認識させて、こわがらずにどんどん動いたりストレッチをするように指導したりします。